アメリカで食べたすごい日本料理

私は基本的に『郷に入らば郷に従え』という考え方です。日本各地を観光したときもその土地の郷土料理を食べることを楽しみにしています。もちろん海外に行ったときも、なるべく世界じゅうどこでも食べられるようなオーソドックスな食べ物よりも、その国ならではの食べ物を選んで食べるようにしています。しかしながら一緒に行く人がどうしても日本料理がよいという人であればそれは仕方がないことであって、日本料理店にも行きます。この話は米国のある小さな都市で食べた日本料理の話です。
出張で行ったのですが、一緒に行った方があまり欧米の料理を好きな方ではなかったため、日本料理店に行くことになってしまいました。店に入ると日本人ではないアジア系の店員が多く働いていました。そして一角にはすし屋のカウンターのようなものが用意されていました。米国では何店か日本料理店に入ったのですが、このように一角だけすし屋のカウンターが用意されているパターンをみました。そして、そのすしカウンター内には板前風の格好をした店員が働いているのです。しかし、日本人とはちょっと違うような雰囲気なんです。
怪しげな雰囲気だったので味は最初から期待していませんでした。よって、はずれがないだろうなと想像がつく料理をメニューから選びました。私が選んだのは鍋焼きうどんです。うどんはおそらく冷凍のもので、だしはほんだしのようなインスタントのものでした。それでも、まだまともだったと思います。
一緒に行った人が焼きそばを注文したのですが、これがすごかったのです。具は普通に豚肉、キャベツ、にんじんなどが使われていました。ところが麺の色がなんだか見たことがないような色でした。その見たことがない色というのは口にしてわかりました。日本そばのソース焼きそばだったのです。笑い話のようですが焼きそばと言っても、『ソース焼き日本そば』だったのです。そして、皿の周りにはスライスしたオレンジが飾りつけで並んでいました。一緒に行った方はまずいまずいといって、半分ほどしか食べられませんでした。