韓国人と行った上海にあるコリアタウンの話

2006年に仕事で中国・上海に行きました。ちょうど一週間ほどの滞在だったのですが、その時期はサッカーワールドカップの期間で、私にとっては一生忘れられないものとなりました。日本対オーストラリア戦を上海のホテル内で観戦しました。ホテル内のバーでちょうどワールドカップのイベントを行っており、そこは小さなパブリックビューイングでした。日本から一緒に行った同僚はサッカーに興味がないとのことで、一人でバーを訪れて観戦していました。すると韓国人の同僚二人がやってきて、一緒に観戦することになりました。私は当時、韓国に対してあまりいい印象を持っていませんでした。
試合は前半に中村俊輔のクロスがそのまま入ってしまうラッキーなゴールを必死で守る展開でした。最終結果は柳沢敦の決定力不足から後半の終盤に一気に3点奪われヒディングマジックにやられた形となりました。私はひどく落胆しましたが、翌日に韓国対ガーナ戦があるとのことで、今日は一緒に応援をしてもらったので義理もあって一緒に観戦しようという約束をさせられてしまいました。
翌日の仕事が終わりどこで観戦するのかと思いきや、なんと連れて来られたのがコリアタウンです。その当時、私は韓国にも新大久保にも行ったことがなく、上海にいながらにして韓国の雰囲気を味わうことができました。試合前は一種独特の雰囲気で、街にはRedsと書かれた赤いTシャツを着た人々が多くいました。聞こえてくる言葉は中国語よりも韓国語の方が多かったです。みんな試合開始を待ちわびているようでした。
私たちはある韓国料理店に入りました。実はこのとき本格的な韓国料理を食べたのは初めてでした。焼肉やチゲ以外にもいろいろなメニューがあり、辛いものだけではないこともこのとき知りました。すべてが取り分けるメニューだったのですが、女性が当たり前のように取り分けていました。ここには日本と文化の違いを感じました。
このときはとりあえず応援しているフリをしていました。試合前は韓国の知っている選手を話題に出しました。ユ・サンチョルパク・チソンキム・ナミルイ・チョンス、チャ・ドゥーリ・・・私も結構知っているなと思ってしまいました。試合は前半に韓国が先制され、危うく喜んでしまうところでした。すぐに追いついて店も街も大盛り上がりでした。点が入ったとき、みんなより少しだけタイミングが遅れて喜んだのは言うまでもありません。この試合は韓国が見事勝利を収めました。そして店を出るとき、二人のうちの一人が今日は韓国が勝ったからおごってあげると言って、食べきれないほどのおいしい料理をおごってもらいました。
丁寧にお礼を言って店を出ると大変なことに!なんと、通りでは勝利のダンスが始まってしまって、歌や踊りで大盛り上がりでした。やはり韓国人は思っていた以上に熱い人たちだと感じました。上海で食べたおいしい韓国料理をおごってもらったことによって、私の韓国に対するイメージは変わりました。この後、ソウルに行ったときにも韓国の人々から大変親切にしてもらいました。