2010年の日本シリーズを終えて

今年の日本シリーズは戦前は全く盛り上がらず、ドラフト会議で指名された選手ばかりがクローズアップされていました。ところがふたを開けてみると試合内容が大変面白く、長い試合にも関わらず時間を忘れて見入ってしまうほどでした。4勝2敗1引き分けという誰も予想できない成績で千葉ロッテマリーンズ中日ドラゴンズを破りました。
今年はセ・リーグパ・リーグ共に混戦でした。セ・リーグは当初、3強3弱でしたが、ヤクルトスワローズの高田監督辞任後、小川監督代行に変わってからの追い上げにより盛り上がりました。破壊力抜群の巨人と阪神、そして磐石の投手力と守備力の中日という構図でした。最後は3チームともに1ゲーム差でした。しかしながら、クライマックスシリーズではとても遠い1ゲーム差に感じるほどの中日の試合巧者ぶりに驚きました。
パ・リーグは混戦5チームと1チームだけ全チームの借金を背負う楽天という構図になりました。1〜5位までの争いは非常に面白かったです。一時は西武が抜けたかのようにみえましたが、ソフトバンクの追い上げによりゲーム差がなく優勝が決まりました。ロッテは最後の連勝で日本ハムをかわしました。ここからロッテの快進撃が始まりました。西武、ソフトバンクを共に逆転に次ぐ逆転で見事日本シリーズのチケットを勝ち取ったのです。
史上最高の下克上とはよく言ったものです。今年の日本シリーズはそのチームのファンではなくても面白かったのですが、少しだけ心配なことがあります。それは、セ・リーグパ・リーグのレベルが開いてきているようにみえるからです。近年つくづく感じていたことなのですが、このシリーズで確信に変わりました。
例えば、阪神の久保はロッテでは先発の4,5番手のピッチャーでしたが、阪神では勝ち頭となっています。巨人の朝井にいたっては今年楽天では完全に戦力外扱いでしたが、トレード期限ギリギリに巨人にやってきてからは水を得た魚のようにいいピッチングをしていました。
さらに、今年の交流戦がそれを象徴しています。1〜6位まではパ・リーグが独占しました。セ・リーグは未だ交流戦では優勝したことがありません。また、WBCの主力ピッチャーがほとんどパ・リーグのピッチャーだったことも記憶に新しいです。
このまま両リーグのレベルは開いていってしまうのでしょうか?それともセ・リーグが盛り返して復活するのか?これからストーブリーグに入りますが、来年以降のプロ野球も見逃せません。最後に、千葉ロッテの応援は最高にかっこよかった。やはりファンあってのプロ野球だと思いました。