バランスがとれていた岡田阪神

先ほど阪神タイガースセ・リーグの王者になりました。終わってみればとてもいいチームで、覇者に相応しいチームだと思いました。
まず攻撃。
1番の赤星憲広は当たり前のようにヒットや四球などで出塁して、当たり前のように二盗をなんなく成功させていました。今や、プロ野球史上5本の指に入る屈指の一番打者になりました。
2年目の鳥谷敬が2番に定着してコンスタントに活躍したことも大きかったと思います。入団前の期待からはまだまだ物足りない成績ではありますが、来年以降もっと成績が上がると期待させる活躍でした。
3番には広島で活躍していたアンディ・シーツが座り、攻守とも堅実な活躍をしました。
広島では万年5番だったアニキ金本知憲が4番に座り、37歳になる今年自己最高の成績を残しました。彼の肉体と精神は驚異的です。
今岡誠の5番も見事に当たりました。1シーズンに140打点以上を上げるということは、1試合に1打点以上ということです。まさに史上最強の5番打者といっても過言ではありません。
ライトは右ピッチャーのときは桧山進次郎、左ピッチャーのときはシェーン・スペンサーと使い分けました。2人とも成績はよくありませんでしたが、勝負強い印象があります。
そして、女房役の矢野輝弘が下位打線の軸として打つ方でも活躍しました。
8番は藤本敦士関本健太郎がこれまた相手の先発投手によって使い分けました。
八木裕の後釜は、片岡篤史町田公二郎濱中おさむ中村豊が役割を果たしたと思います。


投手陣は、エース井川慶がシーズン前のゴタゴタを引きずったかどうかわかりませんが、本来の出来ではないにもかかわらず最多勝争いをしています。
タフネスハート下柳剛が年間を通して安定していました。これまた最多勝を獲得できるポジションにいます。
右では中継ぎから先発に転向した安藤優也が二桁勝ちました。
杉山直久福原忍も先発として試合を作りました。
中継ぎ抑えは何と言っても流行語になったJFKの活躍なしには語れないでしょう。
J:ことジェフ・ウィリアムスは2年前優勝したときのリリーフエースでした。昨年は球威が落ちましたが、今年は復活してきました。一度リリーフエースをやった人が中継ぎに戻るとなると、プライドなどもありそのまま落ちていってしまう恐れもありましたが、ウイリアムスに関してはそれはありませんでした。真面目な助っ人なのだと思います。
F:こと藤川球児は今年ブレイクした選手の一人だと思います。テレビから見る直球は明らかにホップしています。今一番打ちにくい直球を持つ投手だと思います。そして何と言ってもタフであることが彼のよいところです。あの神様仏様稲尾様で有名な稲尾和久のシーズン登板記録を塗り替えてしまったのです。しかも、防御率は何と1点代前半とまさに神がかり的な活躍です。
K:こと久保田智之が最後を締めました。藤川の速球とはまた違った質の速球が魅力です。とても重いボールがズシンとミットを叩きます。そして、フォークボールも冴えました。
中継ぎでは橋本健太郎江草仁貴桟原将司もよく投げたと思います。
これらをリードした矢野の活躍は言うまでもありませんが、矢野がケガをしたときに代わってリードした浅井良もよかったです。


岡田彰布監督が星野仙一監督時代の遺産を受け継ぎつつ、自分の色を出してとても見事な采配で勝ち取った勝利でした。
若手とベテラン、投打、攻守のバランスのとれたとてもいいチームです。


MVPを一人選ぶのはとても難しいのですが、私は藤川だと思います。
それにしても胴上げの時、井川の姿をみかけませんでした。あまりいいことではありませんね。
阪神ファンのみなさんおめでとうございます!