ニセコの変貌

aestiva2009-02-15

ここ数年、冬季に毎年のようにニセコの雪山を訪れています。極上のパウダースノー、様々な種類の温泉、北海道ならではのおいしい食べ物と私にとって三拍子揃ったスキー場です。ニセコは多くのオーストラリア人スキーヤースノーボーダーに知られ、冬になると大勢訪れていました。私はゴンドラや居酒屋でのコミュニケーションが楽しみです。しかしながら、昨年は1AUS$=約100円だったのが、今年は金融危機の影響をまともに受けて、1AUS$=約60円になってしまいました。確かに今年はオーストラリア人の数が少なかったです。代わりに中国人が増えたように思います。多くの外国人がニセコを訪れることはうれしいのですが、少し疑問にも思っていました。それは街並みです。たくさんのオーストラリア人が訪れるようになって、土地をも購入するようになりました。景気がずっと悪い日本の土地ですから、オーストラリア人の中でも裕福な人にとっては安いものだったに違いありません。日本の温泉風景を残していたニセコが一気に欧米化されてしまったのです。これらの写真はすべてニセコグラン・ヒラフスキー場前の通りである、ひらふ坂沿いの風景です。
私は郷に入らば郷に従えという考えなので、その土地その土地の食べ物、楽しみ、しきたり、ルールなどを守って、異文化コミュニケーションを感じます。ニセコに訪れたオーストラリア人にも日本ならではの居酒屋、ラーメン屋、すし屋、北海道ならではのジンギスカン専門店などを楽しんでもらえたらいいなと思っていました。ところが、ここ数年で街にはピザ店、カフェ、アイリッシュパブ、長期滞在可能なコンドミニアムなど明らかにオーストラリア人を狙った店が多くなりました。
ニセコを訪れるオーストラリア人全員がピザを求めているわけではなく、私と同じように日本の文化を楽しみに訪れる人がいるのもわかるのですが、あまりにも変わってしまったのでがっかりしました。
もちろんよいところもあります。裸で公衆浴場に入る習慣のないオーストラリア人にとって、温泉に入浴することは最初は躊躇したに違いありません。しかしながら、ニセコを訪れるオーストラリア人はきちんと体を洗ってから温泉に入ります。温泉にタオルをつけたり、マナー違反になるようなことは見たことがありません。実は、私が初めて外国を訪れたのはオーストラリアです。陽気で穏やかで優しい人たちに親切にしてもらったので、好きな国のひとつです。
これからニセコはどうなってしまうのでしょうか?日本人にとっても外国人にとっても居心地の良いすばらしいリゾートであってほしいものです。できれば、外国人は日本の文化に親しんでほしいです。