ホンダのF1撤退、スバルとスズキのWRC撤退

不況により残念なニュースが多いのですが、自動車が好きな私にとってこの二つのニュースは特に残念なことです。
F1によってホンダエンジンは最高というイメージが定着して、バイクと数種類の小型車しかなかったメーカーが一気に一時は業界2位まで上り詰めたのです。ホンダエンジンといえばVTECであり、パワーも燃費も手に入れたすごいエンジンだと発売された当初は感じたものでした。F1からの人気はシビックインテグラ、プレリュード、インスパイア、オデッセイ、フィットと立て続けに売れました。
1980年代後半、スバルの車は形が時代遅れでただ無骨なだけでした。しかしながら飛行機から受け継いだ技術はしっかりしており、四輪駆動と低重心の水平対向ボクサーエンジンにこだわった車を作っており、一部のマニアにはたまらない車でした。その転機となったのがレオーネの上位車種として販売されたレガシィです。水平対向エンジンを積んだワゴンはそれまでの商用車、いわゆるバンのイメージからかっこいい車へ全く新しいイメージを植えつけました。ツーリングワゴンという新しい呼び名を誕生させました。セダンでWRCに参戦してスバルとしてWRC初優勝をしました。その後、WRCでは車体が大きいためインプレッサを開発して、インプレッサWRXは走りに特価した速い車の代名詞ともなりました。レガシィはツーリングワゴン、セダンのB4、よりアウトドア仕様にしたアウトバックの3種類共に完成度の高い車となりました。
スズキは長年バイクや軽自動車を売ってきましたが、WRC参戦によりSX4スイフトといったコンパクトできびきびした車を出して、新しい領域を確立していた途中でした。
3社に共通していることは、レースによって技術を育み、それを販売に結び付けていったことです。そのレースから撤退するということは、非常に危険なことだと私は思います。
マツダル・マンで、ニッサンスーパーGTで車を磨いてきました。この3社はこれからどうなってしまうのでしょうか?レースを撤退して本当にいい車を作っていけるのでしょうか?非常に心配です。