横手焼きそば 七兵衛 横手駅

秋田県横手市は横手焼きそばの街。近年、群馬県太田市静岡県富士宮市と共に焼きそばで有名な街となりました。三市は三国同麺を結んでいるそうです。横手駅の近くでたまたま見つけたのが郷土料理店七兵衛です。そこでおいしさと親切さに触れることが出来ました。

横手焼きそばは今まで食べた焼きそばとは違ったものでした。太いちゃんぽんのような麺にこくのある甘辛いソースがかかっています。そのソースは麺の下にひたひたになるほどでありまるでスープのようでした。香ばしい豚肉と黄色い黄身が鮮やかな比内地鶏の半熟目玉焼きが乗っています。そして、紅生姜ではなく福神漬けが添えられていました。濃さが足りない人のために追加でソースをかけることができ、そのソースはカレールーを入れるお皿に出てきました。


今まで焼きそばという食べ物は空腹を満たすためだけに何気なく食べていましたが、この焼きそばによって焼きそばに対する考え方が変わりました。写真はダブルなのですが、夢中に頬張ってしまいました。とにかくおいしいのです。麺にかかった比内地鶏半熟目玉焼きの黄身を絡めて食べると甘辛いソースがマイルドになりとろけました。そしてこの焼きそばには福神漬がよくあうのです。焼きそばに福神漬とはとても不思議な組み合わせなのですが、横手焼きそばには福神漬です。
そして横手プリンというものがあったので注文してみました。

甘さ控えめのデザートは米の粉を使っているそうです。きめの細やかな舌触りと美しい盛り合わせが特徴です。
暖簾をくぐってから焼きそばのことをいろいろと親切に説明してくれる店員のおばちゃんに温かさを感じました。しかも、夜のメニューであるきりたんぽ鍋は昼に仕込んでいるのですが、炭火で5時間も焼くらしいのです。焼いている様子を記念に写真に撮ってねと言ってもらいました。本当は食べたかったのですがね。横手に行ったら七兵衛です。遠くまで焼きそばを食べにきてよかったです。次回はきりたんぽ鍋もいただきたいと思いました。

下記は横手焼きそばの説明なのですが、店に入ったときにすぐに観光客だとわかったせいか説明を書いた紙を渡してくれました。原文のままです。

横手焼きそば
横手焼きそばとは、昭和30年代後半から40年代前半にかけて、食堂や駄菓子屋などで軽食として売り出したのが最初です。当時は90店ぐらいで作っており全店メニュー価格盛り付けが統一されていて、違いはソースの味だけでした。
当時のメニューは次の通りです。
並(キャベツ・麺一個)
肉入り(キャベツ・目玉焼き・麺一個)
肉玉(キャベツ・豚挽き肉・目玉焼き・麺一個)これが横手焼きそばです。
後は麺の量の違いです。
中(上のメニューに麺一個半)
ダブル(上のメニューに麺二個)
特製(おもに肉玉二人前を一皿、店によっては色々工夫していた)
以上の十三種類でした。
当時、作っていたのがほとんどお祖母ちゃんでしたので、昭和50年代にはいると、だんだん衰退して、数店だけになりました。
特徴
昔ながらの薄い鉄板で調理する(フライパンやお好み焼き用の厚い鉄板では本当の横手焼きそばは作れない)ゆで麺を使いソーススープ焼きそばに仕上げる。付け合せには、福神漬を添える。
食べ方
半熟の目玉焼きが乗っていますので、黄身を麺にからめながら食べると、甘口のカレーソースみたいになるため、紅生姜よりも福神漬があります。
欠点
ゆで麺のソーススープ焼きそばのがめ、出前や持ち帰りなどに適さない。イベント等に露天の依頼が来ても、店の味は出せない。時間が経過するとふやけてうどんみたいになるためです。
当店の味の特徴
当店の味の特徴は、私の叔母が雑貨店の焼きそば店を営んでいたため、子供のころから作り方を見て育った。当時のソースの味を再現して、こくを出すのに当店の手作りデミグラスソースや色々な香辛料で味を調えてあります。卵には、比内地鶏の卵を使い、麺をほぐすだしにも比内地鶏のガラを使っております。
横手市ではこの焼きそばを平成12年度から復活させ様と努力して、現在は100店舗がメニューに入れています。
ただし、昭和30年代当時の作り方をしているのは、当店を入れても数店だけしか残っていません。

郷土料理 七兵衛 店主

郷土レストラン 七兵衛
横手焼きそば暖簾会
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